連載 マルチメディア&リゾート〜沖縄との相性〜(16)
島田勝也(NTT西日本沖縄支店勤務)


沖縄観光いよいよ正念場

 琉球新報が連載中の「130万人の設計図」では、去る1月8日と9日の両日の朝刊に国・県の観光政策についてまとめられている。すべてが実体かは別としても、問題点をかなり浮き彫りにしている。今回はそのレポートを元に正念場にきていると思える観光振興策について所見を述べたい。

 九八年四月の沖縄振興開発特別措置法一部改正で、観光振興地域制度と情報通信産業振興地域制度等が整うということで大いに期待された。税制等の優遇措置等により企業誘致を促そうというものであった。他にも特別自由貿易地域制度もあったのだが、私は前者の二制度には若干の期待を持って注視していたことを思いだす。ところが、法律は出来たものの肝心な制度の施行はだいぶ後回しにされていた。当時は大田革新県政下であったことも関係したのだろうが、当時、県庁職員からは国の対応が明らかに十一月の県知事選の模様眺めを決め込み、制度施行に向けたの事務処理をサボタージュしているという愚痴を聞かされていた。まあ、それはもう過去のこととしてとやかくは言わないことにするとしても、その後やっとスタートした同制度の内容は、ご案内の通り惨澹たるもの、「骨抜き」制度もいいところである。

 顕著な事例が、那覇空港ビル内に鳴り物入りでオープンした沖縄型特定免税店だ。当初売り上げ予想の三割程度だと聞くし、同店に戻し税方式を押付ける等、考えられない様な旧態な仕組みをよくも国は創ってくれたものである。制度は認められても、国からの政令や規則や通達で実際には使えない制度になっているようである。

 思い出すのは、この空港免税店のオープンセレモニーに鹿児島出身税制通の大物古参代議士が杖をついて出席していたことである。ご自身が尽力して創らせたて制度だ感謝しろ! と言っている様にみえていた。

 もはやこの様にして、国から与えられた陳腐な制度が本当に機能して沖縄経済の振興に寄与したものはほとんど無いということを、我々沖縄側は何度も経験して知っているはずである。

 今後数年、沖縄観光はいよいよ本当の正念場をむかえる様な気がしている。 小手先の仕組みではない抜本的・総合的・革命的な「沖縄観光振興政策」を実行する必要がある。もしも沖縄から「観光」という産業の火を消す様なことがあると、再びソテツ地獄や大量移民を送り出すといった経済破綻がおき、悲惨な状況に陥るということすら思い起こすのは私だけだろうか?

 先般、沖縄観光振興研究会(大城栄禄会長)がたいへん有意義な提言(http://www.sokuhou.co.jp/pdf/kiban.pdf)をされいたが、我々も仲間五名で二年半前に「沖縄観光一千万人ポリシー」(http://www.sokuhou.co.jp/library/2005.html)を策定し発表している。直後は突拍子もない様に評されたが、その後、多数の賛同者が現れ、正しい考え方・方向性だったと考えている。

 いずれにしても総合的な観光政策の実行が急務であり、最前線のアイデアやコンセプトを県民の声として民間から吸い上げるべきである。(「観光とけいざい」2001年1月15日号)


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