連載 観光業界のための紙上ITセミナー・IT利用の基礎知識(17)
島田勝也((財)沖縄県産業振興公社 )


「パーマカルチャー」について

 9月上旬、私は家族を連れてオーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンの北約130キロにあるマレニー近郊の緑豊かな村に滞在した。この地域は、「パーマカルチャー」という考え方をベースに、いわゆる“自然環境との共生的な暮らし”の実践が浸透している 地域である。今月からの数回は、その「パーマカルチャー」を紹介しながら沖縄観光の多様化や質の向上を考えていきたい。

 「パーマカルチャー」は、Permanent(永続的な) Aguriculture(農業)、またはCulture(文化)を組み合わせた用語で、1974年にタスマニアのビル・モリソンらによって発案された、その考え方やデザインや技術は次の3つの理念を含んでいる。

 1.地球への配慮…土壌、各種の生物、大気、森林、微生物、動物、水などを含む、すべての生物・無生物に対する心配り。

 2.人間への配慮…ガマンしてしまうのではなく人間の欲求も大切にする。また、地域や他国への影響についても考える。

 3.余剰物の分配…余った時間・お金・エネルギーなどを地球と人々に対する配慮という目的の達成に貢献できるように使う。

 我々は「パーマカルチャー」を実践している一般的な家庭(写真)に民泊した。4人はゆったり泊まれるゲストハウスにキッチンとバストイレが付いて1泊7,000円で泊めてもらえる。加えてオーガニックの食事付きである。そうして我々の「パーマカルチャー」体験 生活は始まった。

 実感から言うと「何と気持ちの良い生活なのだろう!」と感動してしまった。

 大きな自然の懐に抱かれての暮らし、農作物の安全やエネルギー循環に配慮された暮らしの仕組み、勿論、電気や水や通信といった文明の利器も揃っている。沖縄でも都市地区でき希薄になってしまったコミュニィティーが成立していて有効に機能している。

 どれも上記の1〜3の「パーマカルチャー」の理念に基づく実践の形や手段なのである。

 とりわけ、我々日本人は、昨年来、狂牛病問題や農産物への混入農薬の問題、深刻化するゴミ問題などについて抜本的に解決策を諦めにも似た感覚で意識的に見ないふりをしている。そのことがある種のストレスとなりつつある私にとっては「パーマカルチャー」は 感動と言えた。

 他の視点から私が注目したことが3点、@エコ生活にもインターネットなどの情報活用が重要であること、Aこのような先進的なライフスタイルの実践そのものが観光資源になっているということ、B地域通貨の活用により低コストで豊かな生活の実現を図ろうとし ていること、…。

 我々沖縄が学べることも多い気がする。次回以降もっと具体的に紹介していく。 (「観光とけいざい」2002年9月15日号)


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