連載 観光業界のための紙上ITセミナー・IT利用の基礎知識(17)
島田勝也((財)沖縄県産業振興公社 )


「パーマカルチャー」について(2)

 前回からオーストラリアで密かにブームになっているパーマカルチャーについて書いている。今回のその2回目で水周りのことをお伝えする。

 1.徹底した雨水利用 エコビレッジではなくても雨水を貯めるためのタンクが各家庭で設置されている。とくに農家ではよく見かけるという。ごみを濾過して除去する以外に処理はほとんどしないで飲料水として利用できるという。この雨水利用でほとんどの家庭用水がまかなえるようになっている。また人工的に作った小さなダム(貯水池)が至る所にあり、家庭菜園用の水たまり程度のものからコミュニティで共有する規模のものまでさまざまだ。時には農業用水にするばかりでなく、シャ ワーや台所仕事に使うこともある。私が訪れた頃は3ヵ月雨がなくそのダムも珍しく底が見え出しているとのことだったが、通常はこのシステムでほとんどの家庭では水道は要らないとのことである。たまに透明でない濁った水が出てくるところもあったが、飲み水にしなければ大丈夫である。そう言えば、我々の子供の頃の(首里での)暮らしの水周りも似たようなものであった。天水タンクと呼んでいた。

 2.トイレと排水利用について 我々と同様にほとんどの家ではトイレは屋内に設置されている。ただ、その処理方法は、都市の下水道直行型の設備とは考え方が逆行しておりエコロジカルにみてまったく先進的である。トイレは見たところこぎれいな普通の様式トイレだが、その下には日本のポットン型トイレと同様、便壷が収まっている。そこにおがくずなどを加えて水分を調整し微生物分解を促進する場合もあれば、ミミズをはじめとした生物達を飼育してあることもある。彼らが人間の 排出する有機物を迅速に分解し、優良な堆肥に変えてくれる。キッチンから出る生ゴミも含めて家庭で出る有機物は全て有効活用して、循環させていくという考えに基づくものだ。トイレのことはやはり違和感を感じるものだが、よく考えてみるととても理にかなった処理方法でもある。これもまた昔は沖縄もそうであった、ただ沖縄の場合はそこに豚が介在していた。

 「地球への配慮」「人間への配慮」「余剰物の分配」を旨とするというパーマカルチャー的生き方、結構、心豊かなものである。(10/26(土)沖国大の公開講座はジル・ジョーダン氏によるパーマルチャーに関する講座「個人のライフスタイルとコミュニィティの自立」である) (「観光とけいざい」2002年10月15日号)


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