連載 観光業界のための紙上ITセミナー・IT利用の基礎知識(29、最終回)
島田勝也((財)沖縄県産業振興公社 )


ホテル予約サイト「一休ドットコム」について(2)

 今回の内容は前回号で紹介し予告をしていた全国のホテル予約サイトの一休ドットコムについてである。同サイトを運営する(株)プライムリンクの森正文社長を東京に訪ねて色々と伺ったので、その時の内容が中心である。

 あらためて解説をするが、一休ドットコムとは、プライムリンクが運営する高級ホテル専門のインターネット予約サイトである。

 通常であれば割引率の低い高級ホテルの宿泊料が2〜3割も安い料金で予約できることが魅力で、既に会員数は30万人を突破しているという。

 98年に起業を志し、森氏は大手の保険会社をスピンアウトし、ネットオークション等の事業をスタートさせた。そして、2年後の2000年に高級ホテルに特化するということを発想し、現在のビジネスモデルが誕生する。

 このサイトの魅力は、高級ホテルに割安で泊まれることにある。通常であればなかなか宿泊できない、パークハイアット東京やザ・リッツ・カールトン大阪などのホテルに割安に泊まる事ができ、ユーザーにとって魅力は高い。沖縄からもザ・ブセナテラスをはじめいくつかのホテルが登録されている(しかしながら稼働率の高い沖縄のホテルは同サイトへの部屋の提供数は少ないという)。

 このサイトの成功は、徹底して高級ホテルに特化した商品ラインップということにある。ホテル側にすれば同サイトへの登録で客室稼働率のアップと同時にホテルブランドの維持・向上の意図もある。高級ホテルを利用したい側にすれば、同サイトで一元的に希望するホテルの空室を探することが出来、かつリーズナブルな価格で予約することが出来るのである。供給と需要を実に上手にマッチングさせている訳である。

 登録しているホテルは全国で約500、毎日4万〜5万のアクセスが同サイトにはある。同事業での収入は取次ぎ手数料ということになるのだが、森氏によると次期決算では約6億円を見込んでいるという。

 沖縄のホテル経営においても、直販比率の低さについては、予てから問題視されていることではあるが、過去の取引慣習や業界との力関係もあり変わっていない状況である。

 顧客ニーズの多様化や旅行形態が個人旅行へとシフトする中で、今後のホテル経営において、このような新興のホテル予約サイトをどのように活用・連携していくのか? 真剣に考える時期かもしれない。

(森氏へのインタビューは「沖縄ベンチャースタジオ」で視聴出来ます。http://www.okinawa-ric.or.jp/vs/)(「観光とけいざい」第647号2003年12月合併号)(リニューアル企画中)


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