連載 マネーマーケットの活用術(1)
上原守(沖縄証券)


外為法改正、ドルを使え

 『観光とけいざい』の読者にマネーマーケットの分かりやすい解説と観光業界がそれを活用する方法について大胆なアドバイスが欲しいとの編集者からの注文である(写真=上原守)。

 金融市場が日常の新聞やテレビで毎日取り上げられているなか、ときに一般紙には載せにくい専門的な見方を含め、観光業界で実現できそうな私のアイデアもとりいれて、しばらくの間連載を続けたい。第一回はドルの活用である。

『観光とけいざい』と「金融」の接点は、ヒト・モノ・カネに集約できる。ヒトについては、もちろん『観光』客であり、モノについては、彼らの衣・食・住を満たすことに他ならない。また、カネについては、彼らにいかに沖縄で気持ちよく使って頂けるか、と言う事に尽きる。これらすべての行為が『けいざい』であり、その効果が沖縄を観光立県たらしめ、富を生み、金融の拡大を通じ県民所得として個人に配分され、県経済を活気あるものにさせる。

 (1)ヒト(観光客)については、いかに当地に惹き付けるかが最大の課題となるが、昨年四月施行の外国為替法改正により、通貨取引が市中でも可能になった。それを利用しない手はない。まず、米ドルのみ使用のショッピング・モール(ドル・ショップ)を開設してはどうか。超大型ショッピングセンター若しくは北谷アメリカン・ビレッジのような地域をドル通貨圏にし、世界のありとあらゆるものを販売する。国内からの観光客にとっては、日本国内で海外旅行気分が味わえ(特に修学旅行の沖縄集中化に期待=生きた教材として)、また、海外からの観光客にとっては、手持ちのドルでの使用が可能となり、財布の紐も緩む。さらに、県内および国内にいる数万人のアメリカ人にもドルを大いに使ってもらいたい。

 (2)モノについては、復帰前、海外取引が活発であった沖縄は、現在においても欧米はじめアジア諸国との交易があり物産が手に入る。そのルートを使って種々のモノを集積させ、物流を活発にする。そうすれば、空港、港湾の規模拡張も早急に実行しなければならないであろう。もちろん、価格面で他地域との競争は必要ではあるが、地理的な優位性はあると確信する。

 (3)カネについては、ヒト・モノが集まる所、カネも集まる。香港しかり、シンガポールしかりであり、我々の身近な国々の発展を見てもわかる通り、金融センターを築いている国々もある。観光立県・沖縄をステップに経済立県・沖縄を模索したいものだ。

 以上のように、金融の発展の為には、ヒト・モノの集積が欠かせない。沖縄に人が集い(国内外を問わず)、物資(世界各国から)溢れる地域にするため、出来ることから始めれば良い。幸いにもドル通貨圏であった当時、沖縄は一つの国のような立場にあった地域で、しかもドルについては熟知していた。言語についても留学経験者も多く、現在でも米国人相手の商売も盛んであり、散在しているこれらの店舗・人々を集積させるだけでも魅力的な地域を創造できる。その意味で今から外国為替に慣れておく必要がある。特に米ドルをうまく使うことを提起したい。(「観光とけいざい」99年4月1日)


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