沖縄観光30年史■連載2
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


花開く沖縄のビーチリゾート

 沖縄本島西海岸にあるムーンビーチ。沖縄で初めての本格的なリゾートホテルである。

 西海岸の将来性を見抜いていた国場幸一郎氏がこのビーチに眼をつけて開発した。それまで米兵相手の粗末なビーチだったのである。

 国際海洋博の前年、巨費を投じた。建設中のホテルを見学したことがある。むき出しの階段をおりながら、案内の技術者に聞いた。

 「どこを手本にしたのですか」

 「手本はありません。設計の人が世界中のリゾートホテルを見学して構想を練ったそうです」

 出来上がってみるとすばらしいホテルだった。ビーチとホテルが一体となっている。部屋を出ると細かい砂のビーチ。ホテル内では水着姿の若い女性が闊歩していた。

 日本中のマスコミが殺到した。水着姿の若い女性を対象に写真を撮った。青い海、青い空、白い砂浜、ヨット、明るい太陽、椰子の木、熱帯・亜熱帯の木々、しゃれたホテルの外観、どれをとってもリゾートホテルににふさわしい。それまでは大事な外貨を使って外国で写真を撮影していたのである。

 一方、全日空は沖縄のリゾートに大きな可能性を見いだし、期待を寄せていた。

 恩納村の瀬良垣にあって半ば遊んでいた日交オーシャンパークを手に入れてここにホテルを建設した。現在の万座ビーチホテルである。この敷地は五十万坪とも六十万坪とも言われた。全日空が力を入れているだけにホテルは見事だった。先発のムーンビーチに負けない立派なものでムーンビーチと万座ビーチの両方で沖縄西海岸のビーチリゾートをリードした。

 万座ビーチはホテルは玄関に着くと熱帯の美しい花が迎えてくれる。入ると左手にフロント、右にショッピングアーケードがあり、中央の階段を下りていくと広々としたロビーがある。正面には大きなガラス張りになっていてプール、椰子の木々の間から青い海、白いビーチが見える。対岸には万座毛の崖が建っている。

 ガラス越しに陽光が降り注いでいる。天井まで吹き抜けで、エレベーターがするすると上る。明るいロビーはこれこそリゾートという雰囲気を醸し出している。何よりも明るいロビーがいい。リゾート沖縄らしさを随所にまきちらしている。

 ホテルは外観が宿泊客にメッセージを送る。同時にロビーに入っただけで「そのホテルが活気に満ちふれているかわかる」と永年つとめているホテルマンはいう。 (「観光とけいざい」第611号02年4月15日付け)  


 |  連載3 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.