沖縄観光30年史■連載26
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


海外との長い交流 沖縄のホスピタリティー

 そのハワイは東に米本国という大きなマーケットを持ち、西に日本を含むアジアという巨大市場がる。米国の後ろにはヨーロッパが控えている。これらをうまく掘り起こし、観光客を呼び寄せて世界一の観光地になった。ハワイもはじめは船会社が動いた。ハワイ航路は出港の際の見送り、ハワイ入港の時のフラダンスによる出迎え、ハワイアン・ミュージック。熱帯の樹木、アメリカ人の喜ぶ演出がハワイ旅行をいやが上にも盛り立てた。

 では沖縄はどうか。二つある。

 一つは日本本土にない風土、気候、自然。

 二つ目は沖縄に住む人たちである。

 沖縄の気候の亜熱帯は、温帯の日本にとって貴重なものである。青い海や亜熱帯の動植物は日本人にとって新鮮で、かつ珍しいものばかりである。それを盛りたてるように芸能や食べ物があり、そこに住む人たちの気質がある。その気質は海外との長い交流の積み重ねの結果、生まれたものであり、「ホスピタリティ」である。沖縄では海をこえてやって来た人を手厚くもてなす気風があり、この気風が沖縄の魅力にもなっている。

 島バナナを一生懸命に探したり、宿泊客に親切にせよといったのはこの気風が自然に出たものである。

 以上を総合すると「亜熱帯沖縄」や「異国情緒満点の沖縄」は日本人にとって大事な観光地であり「癒しの島」なのである。

 また現実として日米安保がある。嘉手納町の嘉手納米空軍基地の滑走路横に「安保の見える丘」がある。誰が言い出したか分からないが丘というより琉球松がくねくねと生えている小さな高台である。ここからは離発着する米軍の戦闘機や駐機している米空軍の輸送機などを見ることができる。極東最大の空軍基地だけにB52爆撃機がきたり、空母が沖縄近海に来た時は艦載機が何十機と飛来する。ベトナム戦争の時はこの基地から爆撃機が離陸していった。

 国道五十八号沿いの米軍基地キャンプケンザーのゲート付近には大きな日章旗と米国国旗が仲良く並んで立っている。中城村石平の米軍米軍指令部でも同様の光景が見られる。日米両国にとって沖縄はかけがえのない存在であり、大平洋の「キーストン」である。「安保が見える丘」どころか「安保が見える島」なのである。

 ある日、沖縄ツーリストの東社長に「どのようにして旅行客を集めているのですか」とぶしつけに聞いたことがある。

 「それは、各社それぞれことなったものがあるからなんとも言えない。しかし我が社ではつぎのようにしている…」と前置きしてぼつぼつ語り出した。(「観光とけいざい」第637号03年7月1日)  


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