沖縄観光30年史■連載34
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


沖縄展を積極活用

■マスコミが取り上げた

 ゴーヤーブームの一角を担ったゴーヤーパークは伊豆味街道沿いの山のなかにある。入っていくと左手に乾燥ガマ、右手に世界のゴーヤーを集めたハウス。さらに「水耕栽培」の実際を展示している。事務所のショップではゴーヤーで出来た色々な小物、食品が展示、即売している。そのそばの食堂では、ゴーヤーで出来た「沖縄そば」などを出し、ゴーヤー一色である。渡久地社長にきいた。

 ――ゴーヤーパークの告知はどうやったのですか。

 「沖縄県産業振興公社にお願いして各地でゴーヤーの説明をしました。それとともに各地で公社が開いた沖縄展にも積極的に出店してゴーヤーを売り込んだ。マスコミが取り上げてくれたのが大きかった。テレビが報道してくれたので認知が余計に高まった」

 ――内容は。

 「報道内容も具体的だったのが良かったと思う」

 ――具体的とは。

 「今までは沖縄といえば、青い海とか青い空とかいっていたが、ゴーヤーの場合はビタミンCをたっぷり含んだ、というように誰にでもわかり易いように表現した。その結果、リピーターがふえた。また若い人の訪問者が目立って多くなった」(その点では県観光リゾート局が推進している健康保養型観光の中で参加者の十人七人の血圧が下がったと報告しているのは分かりやすく、全国発信すると きの具体的で貴重なデータとなる)。

 ゴーヤーづくりは重労働ではないので高齢者社会になると有利になると見受けた。

 ――原料はありますか。

 「北部の農村で大々的にやれば心配はいらない」。

 私が興味があるのは観光と直接結びつく点である。水産業で言えば「もずく」があり、グルクンなど鮮魚がある。観光が盛んになると、いわゆる観光業だけでなく、関連業界にも波及効果が出てくる。ほかには沖縄の花類がある。これまでは観光業だけを見てきたが、今後は関連の産業にも目を向けることが大事だ。

 ゴーヤーパークで売っている「ゴーヤーふりかけ」は絶妙なおいしさだ。ゴーヤーの他に青のりがはいっており、炊き立てのご飯に振りかけて食べるとご飯がおいしくなる。その上、身体にも良いからホテルなどで食卓の上に置いておけば興味のあるお客さんは喜ぶだろう。こうして県産品を活用するとよそと差別化できるはずだ。興味のある方はぜひ一度、ゴーヤーパークを訪問することをおす すめする。

 水耕栽培も勉強になる。昔、宮崎県に疎開して向こうの農業をみたが、土が沖縄県とはまるで違う。沖縄ではクワをまさかりのようにふりおろさないといけないが、向こうでは土がほろほろしている。耕耘機でも簡単に耕すことが出来る。沖縄で農業がなかなか難しいのは土の問題もあるだろう。

 水耕栽培は水に植物の生育に良い溶液を加えて循環させて、育てるから、土の良し、悪しは比較的問題はない。ただ装置にカネがかかるので普及は難しいだろうとみた。

 この水耕栽培では普通のサトウキビの二倍はあろうかというサトウキビが青々、スクスクとのびていた。

 これをみると水耕栽培による沖縄の農業は将来性があって面白いと思う。まるで工場である。

 ゴーヤーパークの宣伝・販売方法でおもしろいのは料金受取人払いの官制ハガキを用意し、「沖縄来県記念特典付き注文ハガキ」を配布していることだ。差し出した人には、

 @ゴーヤー茶平袋四十五グラム(千円分)プレゼント

 A沖縄絵葉書プレゼント

 B全国無料配送

の特典がある。

 「このハガキでの御注文は各ご家庭で一枚限り、ハイサイゴーヤー茶は四カ国で製法特許を取得した健康茶です」と印刷してある。

 この結果、観光客は「歓迎されていることを実感」し、リピートする。

 このハガキがある程度あつまると顧客名簿が出来る。直接、消費者に色々なお知らせをしたり、販売のプロモーションに使えるだろう。

 昔、台湾のホテルから「今度台湾に来るときはぜひご利用ください」とのハガキをもらったことがある。何のことはない。パスポートから住所がわかったのである。よそではこんな努力をしているが、沖縄ではどうだろうか。

 なお、OCVBが発行している「沖縄県観光情報ファイル・美ら島(ちゅらしま)」最新号(二〇〇三年十月一日、改訂版)の四百十二頁、OKINAWAゴーヤーパーク(名護市)のなかの電話番号〇九八〇(五四)一一五八とあるのは

(五四)八〇二七が正しい。

 ゴーヤーパークにたしかめたところ、女性職員は「『一一五八』は古い電話番号で一年ぐらい前にかわりました。『八〇二七』が正しい電話です」という。念のため、電話番号は確かめた方がいい。一一五八にかけたら何時までも出ない(十月二十八日)ので、おかしいと思い確認したのである。その事情はよく分かる。電話番号はよほどのことがない限り変更はない。

 OCVBの記者が「美ら島」を取材する段階で旧電話暗号を知り、それがそのまま活字になったのであろう。めったにないことだが、名刺交換の際など、古い電話番号が刷り込んであったりするとこういう結果になることを示している。面倒だがもし、変更になったら、どうするかの対策も考えていた方がいい。(「観光とけいざい」第645号03年11月1日)  


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