沖縄観光30年史■連載36
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


宣伝あって広報なし

■観光と情報提供を研究すべき

 情報提供もむやみやたらにやってよいものではない。やはり効果を考えないと無駄なことになる。

 先に紹介した県内のマスコミの雄、沖縄タイムス、琉球新報の二紙についても弱点があるといったのは、この二紙が県内では圧倒的に読まれていても県外では読まれていないことだ。全国で横断的に見られているのはテレビのニュースではないだろうか。県内の二紙に取りげられたから全国に知れ渡ったと思うのは早計だ。

 新聞界では二紙のように特定の地域に根ざした新聞の事を地方紙、又はローカル紙といっている。これに対して全国を対象にしている新聞を全国紙といっている。代表的な新聞をあげると朝日、毎日、読売、日本経済新聞などだ。全国的なニュースを知りたい人は全国紙を、その地方のことを詳しく知りたい人は地方紙をということになる。

 例えば北海道の紅葉や雪景色の模様はその土地以外のローカル紙には滅多に掲載されない。ただし北海道の地方紙は別だ。全国紙でも季節感を出すために使う程度である。同様に沖縄の青い海や緑の鮮やかなゴルフ場などは雪国の人には珍しいかも知れないが、滅多にに取り上げられない。

 沖縄の観光問題についても同様、よほど変わったことでない限り取り上げない。この点は我々が十分考えておかなくてはいけない。するといま出回っている沖縄の情報は県内だけのもので全国的にゆきわたっているわけでないのである。この点を観光業界はよく知っている。沖縄観光が戦略的発展を図るには、この点を第一に考えるべきである。

 観光の情報提供は一方でPRの性質もあり、重要な問題である。

 遊客宣伝を担当する部署はあっても広報宣伝する部署がないのはおかしい。企業に大小はあっても広報やPRのない企業はあり得ない。沖縄観光についても問い合わせなどはどこにしていいか、分からない。広報がぽっかヌケ落ちている。

 しかしこれは観光だけでなく、県政一般についてもいえることだ。広報課や広報員がおれば、その問題はどこが担当か、すぐに分かる。広報に知識を集中しておけば、外部の人も便利だ。反対にどこが窓口か分かないと、何遍でも電話をかけ直せないといけない。俗にいうたらい回しだ。

 広報があるだけで利用者は助かる。官庁には独特のあり方があろうが、今後は広報を強化し、内容を充実させる方がいい。一般的にいって広報を充実させることは、その地方の観光発展に貢献していることであり、今こそ広報を強化すべきである。

 特に目的地が遠くはなれているところでは、広報を強化している。ハワイがそうであり、香港、台湾がそうである。お隣の台湾を例に取ると台湾内部に対する観光情報の提供と共に対外的な情報提供も活発におこなってる。

 ハワイでは学校で観光の重要性を教えている、ときいた。台湾はハワイ同様に対外的な情報提供もおこなっている。

 とくに日本全国の有力な旅行業者には「台湾観光ニュース」を毎号配布し、日本人の台湾旅行に役立ててている。ハワイは国内の旅行業者向けと日本人の観光客向けの別の媒体をつくって、誘客につかっている。ハワイでは三種類つくっいる。最近はアウトソーシングが盛んで、外部委託すればすぐにでも出来るようになっている。

 沖縄が一番遅れてれている点は外部への広報宣伝だ。

 しかし、観光と情報提供について研究する機関はない。(「観光とけいざい」第647号03年12月合併号)  


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