沖縄観光30年史■連載39
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


沖縄タイムの一掃

■観光客が満足するサービスとは

 沖縄の重要なマーケットは本土である。その本土とは気候も食生活も風土も違うので、その違いをもっと目に見える形で出すべきだ。その一方で本土の観光客が満足出来るようにすべきだ、と主張する人に分かれた。

 本土並みを主張する人々は主に本土系の旅行社の関係者であった。この人々は観光客が本土の人である以上、本土各県に負けないサービス、施設を整えなければ、誘客出来ないとした。

 そんなある日、沖縄市で日教組全国大会が開かれることになった。その打ち合わせを沖縄市で開いた。私も取材でかけつけた。

 定刻になっても出席者は少なく話をする状態ではない。やっと一時間も遅れてみんなが勢揃いした。

 さあ怒ったのは当日の主催者である。しびれをきらせた主催者は、こんな大事な大会の打ち合わせに「時間をおくらせるとは何事か」と烈火の如く怒った。「これでは大会の成功はおぼつかない。大会開催を返上してもいい」とまでいいきった。

 この発言の裏には当時、どこでもみられた「沖縄タイム」の悪い習慣があった。結婚式や公式の大会でも三十分や一時間遅れは当たり前という時代だった。同席していた私もあまりの剣幕に驚いた。

 その場は沖縄側のリーダーが取りなしてすんだ。

 悪習慣の「遅れても良い」という「沖縄タイム」の一掃にたちあがったのは本土の旅行業のひとであった。出席者は観光の責任者だったから、以後、観光業界から重要な会合、大会で「沖縄タイム」が姿を消した。(「観光とけいざい」第650号04年2月1日号)  


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