沖縄観光30年史■連載40
渡久地政夫(沖縄観光速報社・代表取締役)


お客へのマナーが大切

■旅行社幹部が講習会で教えた

 観光タクシーの講習会を開く、という連絡をうけたので、取材に出かけた。ホテルの会議室。講師の旅行社の支店長を囲んでタクシーの運転手さんたちがすわる。

 はじめに自己紹介だ。終わると支店長が気が付いたことを指摘する。

 「一つ気が付いたのはポケットに手をいれたまま挨拶する人がいることだ。これは絶対にあってはならないことだ。いやしくもお客を相手にする仕事ではマナーが大切だ。お客は皆さんの態度をみている。ポケットに手を入れて話をすることなど、考えられない」と厳しい。

 この指摘を受けてうなだれる人、フンと言わんばかりにヨコを向く人などさまざまな表情を見せた。

 今では運転手もこんな態度を取る人はいないが、はじめは大変だったのである。

 この二つの件(前号の時間を守れ、ということと客に対する態度)は小さなことだが、観光を続けるものにとっては大変重要なものだった。

 お客と接するのが仕事の旅行業者に取っては、この二つは生命線ともいえるものだ。

 こうした一つひとつの積み重ねがあって現在の五百万人を越える観光地沖縄が築かれているのである。

 旅行業者はお客と受け入れ側の両方の事情を見ながらあるべき姿を探る。いってみれば観光沖縄のレーダーの役目も果たしている。大手旅行業者の大半は沖縄に支店を置き、日本旅行業協会、全国旅行業協会など全国組織も沖縄に支部を設置している。

 わざわざ本土まで営業に出かけるのもいいが、沖縄でも営業はできるのであるホテル業界では、早くから協定連盟をつくって旅行社との連絡、連携を密にしている。全国組織もある。

 この会では各地の視察、研修も行っている。参考になることはどしどし導入して質の高い受入を目指している。

 とにかく沖縄観光はいまや全国的な話題を集めるようになっった。これまでのようなやり方では通用しない時代になったのである。全国に通用する受入体制の確立がいそがれる。各市町村、各観光協会の充実、強化がそうだ。(「観光とけいざい」第651号04年2月15日号)  


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